トップへ
 

 精神分析は、ジークムント・フロイトによって20世紀の初頭に創始された特殊な営みです。精神分析を受ける方は定期的に精神分析家を訪れ、カウチと呼ばれるベッドのようなものに横たわり、精神分析家と時間を過ごします。それは基本的にくつろいだ、それでいて豊かな静かな時間です。

 そこで濃密な時間が積み重ねられるうち、分析を受けている方の無意識のこころの世界がそこでの語りやできごとや雰囲気や関係性のなかに、ひとりでにあふれ出て、生きたドラマが繰り広げられます。 精神分析家はそれを感じ、味わい、理解し、分析を受けている方のこころの世界について語り合っていきます。そのような過程を通じて、分析を受けている方のこころに変化がひとりでに生じてきます。

 精神分析はもともと週6回で行われていましたが、現在では1回45~50分週4回か5回行うのが普通です。もうすこし回数を少なくして、週1回から3回まで精神分析の考えかたにそってセラピーがもたれることもあり、精神分析的セラピーと呼ばれます。

  日本においては、精神分析の方よりも精神分析的セラピーの方が多く行われています。私の実践でもそうです。 精神分析において頻度はたいへん大きな要素です。分析の営みによって変化をめざすものが大きければ、頻度はより大きなものが必要になることが多いですが、週1~3回のセラピーが有用な場合もけっして少なくありません。

 こうした営みが数年繰り返され、そこに本質的な分析過程が生じると、分析を受けている方のこころは本質的に変化し、成長していきます。このように精神分析的な営みは地道ながら着実なものであり、数日、数週間、数ヶ月での即時的解決を目指すものではありません。精神医療の薬物療法のような即効性はありません。しかしより、本質的な変化が手に入れられるものなのです。