精神分析は誰にでもおこなえることではありません。精神分析家とは一定の訓練を積んで、分析を受ける方のこころ、とりわけ無意識のこころを感じ、体験し、それを通じて理解することを学んできている人です。

 フロイトが創立した国際精神分析学会(IPA)は精神分析家の団体です。そこには2004年現在全世界で10300人の精神分析家が登録されています。日本には30人あまりおり、そのうちの15人ほどが精神分析の営みを現にもっています。IPAの訓練基準にしたがって、日本精神分析協会が精神分析家を養成しています。私も含め、日本にいるIPAに認められた精神分析家は日本精神分析協会の会員です。

  精神分析家になるために日本精神分析協会は以下のようなことが必要だと定めています。

 分析家候補生になって訓練を開始するには、5年以上の臨床歴のある医師、もしくは心理臨床家でなくてはなりません。
 候補生は自分自身が週4回以上の精神分析を終結まで受けねばなりません。たいてい4〜5年ほど、ほぼ600回以上の精神分析的セッションを経験することになります。
 候補生は、週4回以上の精神分析を週1回1時間の指導を受けながら、治療者として2例以上経験し、一定の成果をあげねばなりません。
 候補生は数百時間の講義を受けねばなりません。

 医師や心理臨床家として仕事をしながら毎日の訓練をこなす、5年から10年ほどの年月を経て、精神分析家が誕生するわけです。自分のこころを丹念に見つめる訓練をすることによって、そして自分が患者となって分析を受けることによって、分析を受ける方のこころや臨床状況の理解は確実に洗練され、より安定して精神分析家としての機能がはたせるようになるのです。

 精神分析家になるための訓練についてのお問い合わせは日本精神分析協会のホームページをご参照ください。